Google日本法人は2018年11月22日、これまで日本ではGoogle製スマートフォン「Pixel 3」にのみ提供されていた 画像内情報検索AIツール「Google Lens(Googleレンズ)」の日本語版を他のAndroid端末向けにも提供したと発表しました。
※なお、2018年12月19日、同アプリが認識・特定できる製品数は10億を超えた(公開当初の約4倍)とも同社より発表されました。

「Googleレンズ」とは、カメラで写したものを認識し、それに関連する情報を表示する機能です。

想定される利用シーン

・ランドマークや絵画を写し、名称や作者、作品の詳細情報を表示
・名刺に記載された電話番号を認識して電話アプリから発信
・今歩いている道の上に正しい道順を重ねて表示
・海外の現地メニューやチラシ等の文字をリアルタイムで翻訳(Google 翻訳アプリ)
・“こんな感じ”の家具や服が欲しいと思ったとき、対象を写すことで似たアイテムを表示
・QRコードやバーコードに関わらず、特定の個別画像をキーとして店舗での料金支払いに利用

名前の分からないモノを検索する際、これまでは対象をカメラで撮影し、撮影した画像をGoogle画像検索画面でアップロードして検索する、といった手順を踏んでいましたが、Google レンズの進化により撮影した画像を「Google フォト」アプリで認識させることで、読み取った情報から他のアプリへの連携が容易になり、検索体験の向上が期待されています。

Googleレンズの仕組みとしては、画像検索と同様に読み取った画像情報を解析し、Google が保有するナレッジグラフ(※1)のデータベースと連結させることで、文字情報と画像を結び付け、検索結果を返しています。

Webサイト管理がなすべきこと

スマートフォン端末を中心に、画像をキーワードとしたビジュアル検索が増加した際、 Webサイト管理者として備えておくべきとして考えられる事項は、

画像の掲載

類似の画像も画像検索結果として表示されることから、ページ内の掲載内容に関連する画像であれば掲載しておいた方が良いと思われます。

構造化データ(※2)の設定

被写体の情報は画像解析によりテキストデータに変換され、ナレッジグラフと連携されます。一方、Webサイトの構造化データ情報もナレッジグラフに格納されます。構造化データの設定はビジュアル検索以外の面においても一定の役割を担うため、設定しておいた方が良い事項にあたります。


(※1)ナレッジグラフ
検索体験を向上させるために開発された、Googleの知識データベース。様々な情報源からGoogleが収集した情報から情報の意味を学習し、情報同士を関連付けデータベースへ格納します。

(※2)構造化データ
HTMLで書かれた情報が何を意味するのかを、検索エンジンが理解しやすいよう情報を補完したデータを指します。人が見れば、会社名やお問い合わせ用の電話番号であるといったことを理解できますが、検索エンジンでも理解しやすいように、あらかじめ決められた書式で構造化しておくことで、理解を助ける役割を持ちます。

iOS向け「Google フォト」
https://itunes.apple.com/jp/app/google-%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%88/id962194608
Android向け「Google フォト」
https://play.google.com/store/apps/details?id=com.google.android.apps.photos&hl=ja