飲食店などに行くと、レジ横にいわゆるショップカードと呼ばれるものを置いていることがあります。仕事柄デザインなどをチェックしては持ち帰ることも多く、今までにどれだけ集めたかわからないほどです。
先日あるお店でショップカードカードが置いてあり「持って帰ろう」と思ったのですが、実際手に取るとそのカードの用紙は私の想像を遥かに超えて分厚いものでした。
なぜこんなに分厚いのか?そのカードは黒ベースのシンプルなデザインにマット系の用紙を使用したものでしたが、私なりに考えた答えは「用紙を厚くすることでさらに高級感・重厚感を与えたいから」でした。

以前に書いたブログで紙モノの面白さとは「デザイン」×「用紙」×「印刷・加工」と書きましたが、用紙においては「紙質」だけでなく「紙厚」も重要な要素です。

一般的に用紙の厚みを決定するときの理由として「価格」「目的・用途」が多く挙げられます。
例えば
●ポストに届くDMなど:ポスト内でクシャッとならないようにある程度の厚みが必要
●スーパーのチラシ:大量印刷のためコスト重視。チラシは日替わり・週替りの消耗品であり耐久性は求められていない
●クーポン付きチラシ:あまり厚みがあるとクーポンが手でちぎれない・ハサミで切りにくい
●折り加工のあるリーフレットなど:厚すぎると折り目の部分が伸び、ひび割れるため適していない
などがあります。

今回は、上記の理由以外の「与えたい印象」が用紙の厚さの決定に影響したと考えました。作る側としては、デザイン+マット系の用紙選び…と、ここで終わってしまいそうなものを厚みにまでこだわったことでお店の印象もより素敵に思えるカードに仕上がっています。もちろんコストはかかりそうですが、用紙の厚みを決定するときの優先順位が明確である、と感じました。

普段から気をつけているつもりではありましたが、厚みを決めるときは「カードだからこの厚み」という思い込みや既成概念ではなく、純粋に「価格」「目的・用途」「与えたい印象」から最適なものを選んでいかなければと再認識しました。


上の黒いものが今回見つけたカード。下の白いものはよくある厚みの一般的なショップカード。