グラフィックデザイナーというと業務に携わる前は「見た目を整える」「おしゃれなものをつくる」というイメージでしたが、実際に仕事をすると、「情報を整理して伝える」ことだと感じます。もちろん見た目を整えることも伝えやすくすることの手段のひとつです。

わたしが思う「情報の整理」とは、2種類あります。
1つめは作業に入る前の「誰に向けてどんな内容を発信するかを明確にすること」。
2つめは、作業に入ってからの「隣接」「整列」など、文字通り各コンテンツの整理です。

今回は1つめの事前の情報整理ついて考えてみたいと思います。

●制作に入る前に、まずは事前の情報整理を!
「誰に向けてどんな内容を発信するか」は制作をスムーズに進める上で大切なことであり、ここが明確になっていないと制作時にパソコンの前で時間だけが過ぎることになります。また、意識して作られた制作物は見る側にとってもわかりやすく訴求したい内容が伝わると感じます。

情報伝達などで使われる有名なフレームワークで5W1Hがあります。
制作に限ったフレームワークではありませんが、これに当てはめて考えると基本的な整理ができるので、例として弊社クライアントの学校様から依頼される内容で考えてみました。

・When(いつ)…イベントの開催時期やDMの到着日
・Where(どこ)…学校・オンライン・遠方開催など
・Who(だれ)…高校生・保護者・既卒生など
・What(なに)…イベントの概要・入試情報など
・Why(なぜ)…イベント集客・進路活動促進のため・出願募集のためなど
・How(どのように)…DM発送や学校で手渡しなど

特にデザイナーにとっては「Who(だれ)」「What(なに)」の要素は見た目の方向性を決める上でも重要ではないでしょうか。
以前、「高校生用に送付していた内容を、保護者にも送付したい」との依頼があり、レイアウト全体のテイストや、文章の語尾、フォントなどデザインを構成する様々な要素を変更したことがあります。
上記の事前の情報が明確で、整理がなされているとスムーズに作業に入ることができます。逆に、内容や目的がはっきり決まっていない状態で依頼が入り、作業に入りたいけれど情報の整理に進めず、困ったことも…。

依頼のご相談をいただいた際、弊社営業がしっかりと情報をヒアリングさせていただきますが、制作物を作る際は、5W1Hについて、一度しっかりと整理してみませんか?きっと貴社にとってプラスになる制作物のご提案ができると思います。