紙面における外部サイトの地図利用について、触れる機会がありましたので、共有いたします。

事案

支給いただいたチラシ(恐らく社内制作)内の「会場へのアクセス」部分に、Google マップと酷似した地図画像が使われていました。

Google マップのヘルプを確認

https://support.google.com/maps/answer/144361?hl=ja&rd=1

以下の情報は共有できません。
・保存した場所を含む地図(自分専用のため)
・距離測定の結果を含む地図
・地図そのもののスクリーンショットや画像

Google マップの共有方法としては認められていない、3点目の「地図そのもののスクリーンショットや画像」にあたると思われます。

・地図の著作権について/ゼンリン社
https://www.zenrin-datacom.net/copyright.html

Google マップはゼンリン社の地図を利用しており、上記の同社ページにて、
「コピーした地図をチラシに貼り付けて配布」が「著作権法違反となります。」と明記されています。

複製掲載が可能な例外

・著作物が自由に使える場合は?/公益社団法人著作権情報センター
http://www.cric.or.jp/qa/hajime/hajime7.html
社内に限定した配布物や引用等、例外事例も多数、設けられております。

著作権者の許諾なく利用し続けた結果

・県や県警HP、著作権者の許諾なく地図掲載で謝罪/毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20161117/k00/00e/040/198000c

・香川県が著作権者に無断で地図情報を使用/企業法務ナビ
https://goo.gl/GTiA2X

上記の事例のように過去に指摘を受け、香川県や県警が謝罪する事態に至っております。

著作権をクリアにしつつ、一般配布用チラシに貼り付ける場合

費用を投じず、地図を複製掲載する手法としては、国土地理院が提供している地図サービスの利用が考えられます。

・国土地理院コンテンツ利用規約/国土地理院
http://www.gsi.go.jp/kikakuchousei/kikakuchousei40182.html

・表示例
https://goo.gl/aZPoLj
画面右上の「機能」ボタンより、地図を画像として保存することができます。
※保存された地図には「国土地理院」と入ります。

・地理院地図ヘルプ> https://maps.gsi.go.jp/help/
・地理院地図操作マニュアル> https://maps.gsi.go.jp/help/pdf/GSIMaps.pdf

「地図の分かりやすさ」ではゼンリン社製の地図に見劣りしますが、地図の必要な範囲のみを切り出せ、補足のテキストを入力することも可能な仕様と、無料で利用できるツールとしては高機能な印象です。

見慣れた地図を有償で利用する場合

・印刷用地図を作るならカスタマイズ自由な「Area Cutter」/株式会社ゼンリンデータコム
https://www.zenrin-datacom.net/business/areacutter/

販促物へ見慣れたゼンリン地図を利用できるよう、ゼンリン社から有償のサービスが提供されています。費用は生じてしまいますが、一般的に認知されているゼンリン地図を安心して掲載することができます。

所感

弊社ではWeb、紙面媒体を通じて、お取引先様の販促物の制作をご支援しておりますが、多くの場合、販促物の制作はお取引先様にとっては、手段であって目的ではありません。
お取引先様の利益をいかに高め、損なうリスクを減らせるよう、世の中の変化を速やかに掴み、先回りの提案を行うことで、取引先先様の利益に資することがビジネスパートナーとしてあるべき立場であると思います。