書店や雑貨屋、薬局、タワレコなどの店頭では手書きPOPをよく見かけます。私は目的もなく書店に入ったときなど、手書きPOPが目について、その本を手に取る…ということが多々あります。
手書きPOPはDMのようにパーソナルなメディアではありませんが、「販売員の代わり」となり、店内の見込み客に呼びかけ、商品の良さを訴求してくれます。この何気ない手書きPOPを最初は商品選びの目線で見ていましたが、そのうち「これは制作やまとめ方の参考になるのでは?」と思うようになりました。

限られたスペースの中で訴求したいことをまとめ、かつセンスのいいベネフィットの効いたキャッチコピーで目を引かす。カラーマーカーや吹き出しでデザイン的に強調する等、私が普段業務で制作するDMやチラシ同様に商品やサービスを売り込むための共通項があったからです。

先日、実家に帰ったときのことですが、妹から「本を貸してほしいので適当に2冊ほど持ってきて」と頼まれていました。「適当に」とは難しくなんとか選び出しましたが2冊に決められず4冊も選んでしまいました。その時「書店の手書きPOP風のものを描いて、それを見せて妹に2冊を選んでもらおう」と思い、描き始めました。イラストを入れて読みやすくしたり、文字の大小をつけてメリハリを出したりなどはデザイン業務で慣れているためサクサク進みましたが、大変だった2点があります。

文章が何を押しているのかわかりにくい
語彙力が足りないのか、構成が下手なのか、「当たり障りのない」内容になってしまいました。
スペースが限られている上に手書きなので、入れる内容や順番を決めないと失敗する
普段の業務でも、新規案件などラフを描いて分量を見てから進めることが多いですが、仮に上手くスペースに収まらなくてもデジタルのため簡単にやり直せます。ただ手書きはそうはいかず、一枚目に何も考えず書き始めたものはとてもバランスの悪いものになりました。

結局、普段の業務でもつまずくところで引っかかりました。

私の手書きPOPは見せる相手が「妹」と決まっていたのでDMミニマム版のようなものでしたが、商品のセールスポイントを探すきっかけにもなり、かつ普段の業務と同じく「伝える・目を引く・飾る」ことの勉強にもなったので機会があればまた試してみようと思います。