私は業務で様々な印刷物のデザインを担当しています。最初に入念に下調べをしてから取り掛かるものや、何度も担当しコツをつかんでいるものなどボリュームや作業にかかる時間はいろいろですが、初校をクライアントに提出する前に絶対にやったほうがいいと思うことがあります。
それは「できたデザインを他のデザイナーに見せること」です。

デザイン作業は、打合せなどで集めた情報をひとりでコツコツと形にしていきます。自分が「これでいい」と思って作業してきたフィルターがかかっているためか、一歩引いてエンドユーザーの視点でデザインを客観視することは難しいときがあります。時間的に余裕がなければ特にその傾向が強く、仮に「これで人が集まるかな?」と疑問に思ってもそこからは悩むばかりです。

私は入社するまで新聞広告を制作したことがありませんでした。なので当初はひとつ制作するたびに人に見せて意見をもらっていました。そのうち自分の「新聞広告制作のルール」ができ始め、制作も時間をかけずにスムーズに進められるようになりました。また新しい分野の制作も、人に見せて意見をもらうことでデザイン修正も減ってきたと感じます。

また、これをチーム内で行うことにより「誰が何の作業をやっているか」という情報共有や、自分のデザインの改善点だけでなく、人に説明することで案件の目的や方向性の再確認もできます。

いま繁忙期に入っていてバタバタ作業することも多く、言い方は悪いですが「案件をさばく」ようなことにもなりがちです。そんな中でも、今後デザインの質の向上やスピードアップのために、他のデザイナーに見せて意見をもらうことは続けていきたいと思います。