先日、個人的にとあるデザイン本を購入しました。

「けっきょく、よはく。 余白を活かしたデザインレイアウトの本」
ソシムという出版社から今年の7月20日に発売された書籍で、まさにタイトル通り、帯を外すと本当にほぼ真っ白な余白で構成された装丁のデザインにインパクトがあります。

書店の話題書の棚に置いてあったその本を見て、そういえばツイッターで話題になっていたなあ…とキャッチーなタイトルを見かけたことを思い出しました。パラパラとページをめくってみると単純明快ながら非常に分かりやすく解説された内容だったのでそのまま手に取り購入。ちなみに話題書というとおり、Amazon売れ筋ランキングでもグラフィックデザイン部門で第3位(10/15時点)のようです。

「けっきょく、よはく。」はレイアウトのOKとNGをとても分かりやすく作例を交えながら紹介した書籍で「しゅっとした、洗練された、おしゃれなデザインは読みやすく情報が整理され、余白をうまく使いこなしている」という視点から、余白を作ることを意識してデザインをすれば今よりも良いデザインになる!という解説をしている「余白」に注目したデザインレイアウトの本です。

余白、と聞くと一般的には「真っ白な部分」と思いがちかもしれませんが、デザインにおいては色や背景に関係なく「文字や装飾が入っていない部分」ということになります。
その「余白」をうまく使いこなすことでデザインがおしゃれに見えるようになる、つまり、「デザインする上で、情報が入っていない部分が情報を際立たせたり、与える印象を変化させる」ということが解説されています。

しゅっとした、おしゃれ、という単語が出てくると「このクライアントはオシャレじゃなくて良いんだよ」などと思うかもしれませんが、これは単純な与える印象の話だけではありません。「余白などいらない!」と文字や写真をこれでもかと大きく大量に詰め込みたがるクライアントも居るかとは思いますが、みっちりと紙面いっぱいに情報が詰まっているとやはり読みにくくなってしまい、整理されていない分かりにくいデザインになってしまいがちです。より伝えたいことをきちんと伝えるためにはそれらを際立たせる工夫が必要です。それがこの本では「余白」であると定義されています。

私の経験でいえば、ぎゅうぎゅうに情報がつめ込まれたデザインは、それだけでどこか昭和めいたレイアウトに見えてしまうことも多いです。なんか古臭いなあ…とか、今っぽくないなあ…というのは結局、余白が関係しているのかもしれません。

デザイン書籍においては珍しいことに弊社クライアントのような学校関連も掲載されていますし、様々な業界や求められるデザイン別にイラストや作例を交えて掲載されていてとても参考になります。
この書籍は自身の「何かが違うけどどこが違うのか分からない」という場合にも役に立つと思いますし、他のデザイナーが作成したものに対して「もっとこうしてみたら?」とアドバイスするのにも役立つ視点が多く掲載されています。
グラフィックデザイナーはもちろん、営業の方など制作に関わる全員に役立つ書籍だと思いますので、私物ですがしばらくはデザイン書籍を置いている本棚に置いておきます。気になった方はぜひ読んでみてください。