最近ある学校のDM制作で色選びにとても迷ったことがありました。もともとメインとなる学校のブランドカラーがあるのですが、そこにお正月イベントを掲載するにあたり、色の相性がしっくりこない…。
このように、制作中の色選びは難しく、迷うシーンはたくさんあります。

デザイナーの方には馴染みが深いと思いますが、色には色相(色あい)・明度(明るさ)・彩度(鮮やかさ)とよばれる属性があります。よく「トーン」といった言い方がありますが、これは同じような明度や彩度が似ている色を集めてグループ化したものです。なので「トーンを揃える」と、まとまりのある色使いになります。また「補色」というメインの色と正反対の色を少し使い、メインの色を引き立てたりする使い方もあります。(ネイビーベースにイエローなど)

また、芸術家・教育者でヨハネス・イッテンという人が色彩美学はつぎの3つの考え方から探求できる、と語っています。
●印象(視覚的に)
●表現(感情的に)
●構成(象徴的に)

これだけではわかりにくいですが、私が担当する学校DMではでピンクを使うことが多いので、それぞれの考え方から選ぶと
●視覚的:目立つ・目を引く色だから使う
●感情的:かわいい感じにしたいから使う
●象徴的:その学校のブランドカラー(ピンク)だから使う

ということかなあ、と自分で解釈しています。この前、デザイナー全員で同じ学校のDMを制作しましたが、できあがったDMのメインカラーは皆同じ色でした。これにあてはめると「象徴的」からの選択ではないかと感じます。

他にも色は様々な選択方法や考え方があります。
ただ、あくまで紙面のデザイン要素のひとつであり、フォントやレイアウト、ターゲットなど色以外にも気をつけることは多いです。
最初に書いたDM制作では「正月」というキーワードに囚われていたせいか、かなり試行錯誤してしまい「イベントに学生を集客する」という本来の目的を見失いがちになり、あやうく高校生相手に激渋カラーの紙面ができるところでした。

色の効果を知り、デザインに反映することは大切ですが、色だけが特別なものではないということを意識してつきあっていきたいと思います。