ownCloudとはオンラインストレージを専用サーバー環境に構築し、セキュアにファイル共有するためのオープンソースのパッケージソフトウェアです。
弊社でもクライアント企業さまや委託先企業さまとの間でWebサイトの素材の受け渡しなどにownCloudを利用することがあります。

公式サイト
https://owncloud.jp/

ファイル共有サービスといえば、GoogleドライブやDropboxなどのサービスが挙げられますが、課金制のサービスには容量に制限があるのに対し、ownCloud/Nextcloudはサーバー導入型のサービスで、使用可能上限はサーバーの容量に依存します。
つまり、1TBのサーバーを用意できればそのままストレージサーバーとして利用することができます。

最新バージョンのownCloudは導入にあたり、PHP5.4以上を必須要件としています。(公式サイトにはPHP5.4以上と記載されていますが、安定稼動させるには7以上が必要ではないか思われます。)
SQLiteでも動作可能ですが、容量の大きいファイル転送を行う場合にはDBサーバー(MySQL/mariaDB)も必要です。

★利用シーン
データはアカウントごとに管理され、アップロードやダウンロードはもちろん、フォルダの作成や編集などの管理が行えますのでオンライン上でNASのような役割を担えます。
また専用のPC向けのアプリやiOS、Android向けのモバイルアプリも提供されていますので、外出先でのデータアクセスが行えます。
共有機能はユーザーやグループを選択し、権限範囲を決定するだけでファイルをすぐに共有できます。
「共有リンク」の作成もパスワードの設定や期限を設定できるので、アカウントを持っていないユーザーへ安全にファイル共有することも可能です。

一般的に小~中規模向けのスペックのサーバーを採択した場合、アップロード容量の上限値があり、膨大な容量のデータの保存/保管には向きません。
チーム内での共有ドライブとして流動性の高いファイルの共有に限定するべきでしょう。

ownCloudには、データ共有に関わる基本的な機能が備わっています。オープンソース版は無料で利用可能です。
またユーザーが増えても無料なので、利用頻度の少ないユーザーでも無制限に追加することができます。
活用の仕方次第で多様な使い方ができる便利なツールですが、オープンソース版を選択した場合、自分で管理や環境の構築をしなくてはならず、 安全に活用するにはサーバーのセキュリティの見識など、ある一定の専門知識が求められます。専用/クラウド/VPSサーバーへの導入方法は、また機会があれば寄稿してみたいと思います。