私は仕事柄、街なかで様々な印刷物を集めますが最近はリーフレットと呼ばれるものに目がいきます。
リーフレットとは「宣伝用などの折りたたみ式の印刷物」で、チラシとの違いは折って使用することです。

一番見かけるのは「二つ折り」と呼ばれるもの。一枚の用紙を半分に折ったもので、様々な案内で使用されています。

商品紹介や施設案内などで使用されている「巻三つ折り」もよく見かけます。こちらは一枚の用紙を3つに巻くように折ったもので、両面あわせて6面の情報を入れる部分ができます。その他、凝った折り方を入れるとキリがないほど多くの折り方が存在します。

分野的には印刷の話ですが、この「折る」ということが、デザイン制作をする上で大切な要素になります。

リーフレットは「折加工を入れることで折った面ごとに情報を分ける」ことができるため、自然とページ構成ができ、レイアウトを大きく左右します。また、折ることによってターゲットがリーフレットを読むときに「順番に開くよう誘導できる」ため、文字を読ませる流れを作ることができます。

映画や展覧会の告知などでも、以前は一枚物のチラシを見かけることがほとんどでしたが、ここ最近は凝った折加工のものなどを見かけるようになりました。メインビジュアルを少し折って隠すことでこの先にはどんなものが隠れているんだろう?とワクワクしながら開けたものもあります。これもデザイナーのページ構成力の見せ所ではないでしょうか。

しかし、この「折る」ということがデメリットになる場合もあります。一枚物のチラシとは違い「開ける」という手間がかかるため、「どんな人が見るのか」「どの状態で見るのか」という背景を意識しなければうまくいかないこともあります。

以前、とても凝った折り方のリーフレットを街のスタンドで見つけました。チラッと中を見たかったのですが、外だっだこともあり「めんどくさそう」という思いから、そのまま開かず通り過ぎたことがあります。この仕事をしていてこの感想なら、興味がない場合はもっとハードルが高くなります。

メリットの分だけデメリットもあるリーフレットですが、パソコン上でデザインして終わり…、ではなく、その先の先まで意識して制作することが重要であることを改めて感じさせてくれます。