米国のIT分野を中心とした調査・アドバイザリー企業「Gartner, Inc.(NYSE:IT)」は2019年7月17日に PC、タブレット、スマートフォンを含む端末全体の世界出荷台数の予測レポートを発表しました。

Gartner Says Global Device Shipments Will Decline 3% in 2019(全世界の端末出荷台数は2019年に3%減少すると、Gartnerが発表)/2019年7月17日
https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2019-07-17-gartner-says-global-device-shipments-will-decline-3--

この発表によると、2019年のスマートフォンの世界出荷台数は、2018年から6800万台(約3.8%)減少すると推定されるとのことです。

デバイスタイプ別の世界のデバイス出荷数、2018年から2021年(百万台)

デバイスタイプ2018年2019年2020年2021年
従来のPC(机上およびノー​​トパソコン)195.3187.2177.5171.2
ウルトラモバイル(プレミアム)64.469.875.281.4
総PC市場259.7257.0252.7252.6
ウルトラモバイル(基本と実用)149.6146.1144.6142.4
コンピューティング機器市場409.3403.1397.3395.0
携帯電話1,813.41,745.41,771.11,762.6
総デバイス市場2,222.72,148.52,168.42,157.6

出典:「Gartner Says Global Device Shipments Will Decline 3% in 2019」より

需要低下の要因として、消費者が従前よりも長い期間、端末を使い続けていることから、買い替えサイクルの期間が長くなっているとあります。

また消費者にとって新しい実用性、効率性、体験といった、何らかの新しい価値が提供されなければ、消費者は買い替えずそのまま使い続けるだろうとも続けています。

スマートフォンに限らず、製品を買い替えるには何らかの動機があり、特に新しい価値が見出されないのであれば、積極的な買い替えは行われないでしょう。

5G(より高速な第5世代移動通信システム)への期待

スマートフォンメーカー各社は、2019年より5G対応のスマートフォンを発売しており、2020年にはより安価な5G対応端末の発売が予定されているようです。

既に米国、韓国、スイス、フィンランド、英国の一部では5Gによる通信サービスが開始されているものの、この範囲の拡大には時間を要する見込みとあり、通信速度の向上により、スマートフォンを通じてもたらされる価値や体験が消費者の心を掴むことで、出荷台数も変動してくるものと思われます。

台数減少を予測するレポートながら、未来が楽しみな発表でした。