TPOに応じてデザインの方向性を考えるのはデザイナーにとっては自然なことですが、
デザインという答えのない分野だからこそ、正解を見つけることが難しい場合もあります。

例えば店頭に並んでいる日用品などはひと目で効果や使用法が分かりやすいように視認性が高いデザインが多く、消費者にとっても訴求効果が高いデザインは選ぶ際の一つの基準となります。「触るな危険」など大きく書かれたパッケージは子どものいる家庭でも安心して使用できます。

しかし訴求効果の高い目立つデザインが必ずしも全ての消費者にとっていいデザインとは限りません。自宅のインテリアになじまない、殺虫剤の虫のイラストが嫌だなど敬遠されることもあり、私もその一人にあたります。
その中でどちらのターゲットの要望も叶えられるデザインが商品化されています。

例えばコロナ禍で必須アイテムとなっている、ある会社の消毒用アルコール。
商品の性能を重視したい消費者へ向け、性能をわかりやすく配置したデザインで店頭販売していますが、この商品はラベルが二重構造になっておりラベルを剥がせばシンプルで落ち着いたデザインへ変身できるため、派手なデザインを好まない消費者へもアピールでき、結果多くの人が選びやすくなっています。
こちらの商品はSNSで大きく拡散されており消費者のニーズに答える事ができた一つのデザインとなっています。

「二種類のデザインを用意」「シンプルと派手の中間あたりのデザイン」ではなく、「ラベルを剥がす」というプラスαのアイデアで、より多くの人が満足するデザインになったように、わたしもデザイナーとして、より自由な発送でアイデアを追求していきたいと感じました。